食欲の秋、よく噛んで食べていますか?
11月になり、木々がオレンジや黄色に色づきはじめました。「日本の紅葉は世界一美しい」といわれていますが、実は、このように鮮やかな紅葉が見られる地域は、世界を見ても多くありません。美しい紅葉が見られるのは、数多い樹木のなかでも落葉広葉樹だけ。その落葉広葉樹が多く分布しているのは、日本をはじめ東アジアやヨーロッパの一部、北アメリカの東部など限られた地域なのです。
なかでも日本は国土の約7割が森林で、モミジやイチョウだけでなく、ブナ、カラマツ、ドウダンツヅジ、ソメイヨシノなどなど、沢山の種類の落葉樹があります。そのおかげで、私達は世界でも有数の美しい紅葉を見ることができるのです。
秋は空気が乾燥し、唾液の分泌が減りやすい季節。お口が乾くと、むし歯や歯周病、口臭の原因にもなります。紅葉狩りやお散歩を楽しみながら、こまめな水分補給と、しっかり噛んで唾液を出すことを意識しましょう。美しい紅葉を眺めながら、心と体、そして歯も健やかに秋を楽しみたいですね。

食欲の秋、よく噛んで食べていますか?
「87,600」
この数字は何の数字だと思いますか?
こたえは、80歳まで1日3回食事をしたと仮定した食事の回数です。(3回 × 365日 × 80年 = 約87,600回!)私たちは一生のうちに8万回以上も食事をします。「食べる」という行為は、健康や人生の質を左右する大切な時間です。毎回の食事、おいしく、よく噛んでいますか?
弥生時代の女王・卑弥呼(ひみこ)の時代、人々は1回の食事でなんと約3,900回も噛んでいたといわれています。一方、現代ではやわらかい食べ物が増え、その回数は約6分の1の620回まで減ってしまいました。「よく噛む」ことは、健康の基本であり、人間の進化が生み出したすばらしい機能です。
★「ひみこのはがいーぜ」噛むことの効果をまとめた標語ご紹介します。
ひ:肥満予防…よく噛むことで、脳に「お腹いっぱい」という信号が早く届き、食べ過ぎを防いで肥満を予防します。
み:味覚の発達…噛む回数が増えると、食べ物の味をしっかり感じ取れるようになります。素材そのものの味を味わうことで、味覚が豊かに発達します。
こ:言葉の発音がはっきり…よく噛むと顎や口の筋肉が発達し、歯並びや噛み合わせも整います。その結果、正しい口の開き方や発音ができるようになります。
の:脳の発達…よく噛むことで脳の血流が増え、記憶力や集中力が高まります。よく噛む子どもの方が学習成績が良いというデータもあります。
は:歯の病気予防…しっかり噛むと顎が発達し、歯が正しい位置に生えやすくなります。また、唾液の分泌が増えてむし歯や歯周病を防ぐ効果もあります。
が:がん予防…唾液には、発がん物質を無害化する働きがあります。よく噛むことで唾液がたくさん出て、がん予防にもつながるといわれています。
いー:胃腸快調…よく噛むことで食べ物が小さくなり、消化がスムーズになります。唾液に含まれる消化酵素の働きも活発になり、胃腸の調子を整える効果があります。
ぜ:全力投球(丈夫な体づくり)…しっかり噛むことで体全体のバランスが整い、運動能力も向上します。歯並びの良い人ほど運動能力が高いという調査結果もあります。
噛む回数を増やすコツ
「早食いかな?」と思う方は、食事にかける時間を決めてみましょう。普段10分で食べ終わる人も、30分を目標にゆっくり食べることで、自然と噛む回数が増えていきます。
おかずの一品に根菜・きのこ・海藻類などの噛みごたえのある食材を加えるのもおすすめです。
また、入れ歯を使用している人は、しっかり自分に合った入れ歯を使うことも大切です。合わない入れ歯は噛む力を弱めてしまいます。インプラントは自分の歯のように噛めるようになります。食後にキシリトールガムを噛むのもおすすめです。噛むことで脳の働きが活性化し、集中力アップにもつながります。「よく噛む習慣」を取り入れて、健康で豊かな食生活を送りましょう。

土日午前は9:30~13:30
土曜午後は15:00~17:00


