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一度治療した歯がまた虫歯になるのはなぜ!?【院内報R6年3月号】

2月21日は「ランドセルの日」。小学校6年間の思い出が詰まったランドセルへの感謝の気持ちを表すために、卒業式シーズンであることと、「3+2+1=6」となり「6年間ありがとう」の意味を込めて制定されたそうです。

ランドセルは丈夫に作られているので、6年間毎日使用してもさほど痛んでいない人も多いようで、最近では役目を終えたランドセルを、ペンケース、定期券を入れるカードケース、キーホルダーなどにリメイクする人が増えているそうです。また、発展途上国や紛争地域の子供達に贈る活動も広まっています。お子さんが5~6年生なら、成長の思い出が詰まったランドセルを卒業後どうするか、親子で考えてみるのも素敵ですね。

さて、春は卒業や入学・入社など何かと忙しい時期です。4月になり新しい生活が始まると、慌ただしさが増してお口の健康のことは後回しにしてしまいがちです。ぜひ、いまの時期に、歯の定期健診を受けられることをおすすめいたします。

なぜ、治療した歯に虫歯ができるの?

虫歯ができてしまったけれど、ちゃんと治療したからもう安心と思っていませんか?残念ながらそれは間違いです!一度治療したところがまた虫歯になってしまうことを、「二次カリエス」といいます。実は、一度削った歯は虫歯になりやすくなります。なぜかというと、一度歯を削って詰め物をしたり、かぶせ物をしたりした歯には、詰め物の劣化や食いしばり、歯ぎしりなどでミクロの段差や隙間が生じてしまい、そこから虫歯菌が侵入するからです。

虫歯菌は、歯を酸で溶かしてくぼみを作っていきます。これが虫歯です。しかし通常は、絵のように歯の周りがエナメル質という固い組織で守られており、歯に穴をあけるのには、とても時間がかかります。これに対して歯の中にある象牙質は軟らかく虫歯菌に溶かされやすい性質です。一度歯を削ってエナメル質がない場所は、虫歯菌が侵入すると、浸食されて歯髄まですぐに広がってしまうのです。

「二次カリエス」予防のためにできることは?

毎日の歯磨き

一度虫歯になってしまった箇所は、歯磨きがしづらく歯垢がたまりやすい場所です。毎日の歯磨きで、自分の口の中のどこが治療後の歯なのかを意識しながら、丁寧に歯を磨きましょう。

定期的に歯科医院に通う

どんなに丁寧に歯を磨いても、歯磨きだけでは60%程度しか歯垢が落とせません。落としきれない汚れは歯科医院で徹底的にきれいにしましょう。虫歯の早期発見にもつながります。

二次カリエスになりにくい材質(セラミック)を選ぶ

当院では、虫歯治療の際には保険治療と自費治療をお選びいただけます。保険治療で使用する銀歯は、セメントで歯と銀歯の間を埋めて機械的に停めているだけです。これを『合着』と言います。金属は熱いものを食べると膨張し、冷たいもので収縮します。温度変化を繰り返すことで、すき間に虫歯菌が侵入します。また、プラスチックとセラミックを混ぜた白いCAD/CAM素材は、柔らかいので食いしばりや歯ぎしりがあると、欠けたり割れたり、歯との間にすき間ができたりして虫歯菌が侵入します。こうして二次カリエスができるのです。つまり、保険治療は5年ぐらいで虫歯を繰り返し、最終的には歯を失ってしまう可能性があるのです。

自費治療でお選びいただけるセラミックやジルコニアは、レジンセメントを介して歯と接着でき、分子レベルで一体化します。すき間ができず細菌を浸入させません。見た目も本物の歯と見分けがつかないくらいきれいです。二次カリエスになりにくく、長持ちするので長い目で見ると保険治療を繰り返すよりも経済的です。そして、歯磨きと定期予防で健康なお口を長く維持しましょう。

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